内視鏡下切除治療とは

治療の概要

内視鏡下切除とは、口から内視鏡を挿入し、胃の内側からがんを切除する治療法です。主に早期胃がんに対して行われ、外科手術に比べて体への負担が軽いことが特徴です。

治療の流れと特徴

• 麻酔下で行われ、患者の苦痛は最小限
• 特殊な内視鏡器具を使い、がん部分を切除
• 通常、数日間の入院で退院可能
• 傷口は胃の内側だけなので、体表に傷は残りません

メリットとリスク

メリット

• 体に負担が少ない
• 回復が早く、社会復帰もしやすい
• 痛みや出血が少ない

リスク

• 早期がんに限定される
• 出血や穿孔のリスクはゼロではない
• 切除後の追加治療が必要になる場合も

ロボット支援手術（ダ・ヴィンチ）の応用と症例

ダ・ヴィンチ手術の概要

**ロボット支援手術（ダ・ヴィンチ）**は、医師が操作するロボットアームを用いた手術方法です。腹腔鏡手術をさらに精密に行えるのが特徴で、がんの摘出に高い精度が求められる場合に適しています。

実際の手術の流れ

• 数センチの小さな切開からロボットアームを挿入
• 医師がコンソールで操作
• 内視鏡映像を高倍率・3Dで確認しながら手術

導入事例とメリット

メリット

• 精密な操作が可能で、周辺組織へのダメージが少ない
• 出血量が少なく、術後の痛みも軽減
• 回復期間が短い

実例 近年、多くの病院でダ・ヴィンチ手術が導入され、胃がんだけでなく他の消化器がんにも応用されています。

治療後の回復期間と副作用

内視鏡治療後の回復と注意点

• 入院は2〜5日程度
• 飲食開始も比較的早く、1週間程度で通常の食事に戻れる場合が多い
• 稀に出血や穿孔の可能性があるため、数週間は経過観察が必要

ロボット手術後の経過と副作用

• 入院期間は1週間前後
• 手術部位の痛みは軽く、術後2週間程度で通常の生活に戻れる
• 合併症リスクは従来の開腹手術より低いが、術後感染や腸閉塞に注意

それぞれの治療法が適応となる病状範囲

内視鏡治療の適応

• 粘膜層に限局した早期胃がん
• 転移のリスクが低いと判断された場合
• 組織診断で内視鏡切除可能とされたがん

ロボット手術の適応

• 粘膜下層やそれ以上に浸潤した胃がん
• 周囲のリンパ節切除が必要な場合
• 開腹手術より低侵襲で行いたいケース

担当医との相談の重要性

それぞれの治療法には適応条件があり、個々の病状に応じた判断が必要です。専門医との相談のうえ、最適な治療法を選択しましょう。

まとめ ― 自分に合った治療法を選ぶために

胃がん治療は進化し、内視鏡治療やロボット支援手術といった選択肢が増えています。大切なのは、自分の病状に適した治療法を理解し、納得のいく選択をすることです。

治療を選ぶ際には、医師から十分な説明を受け、納得した上で決断しましょう。治療の選択が、今後の生活の質を大きく左右する大切なポイントになるでしょう。