診断前の症状

最初の症状は、便に少し血が混じる程度でした。 「きっと痔だろう」と軽く考え、特に気にしませんでした。

ところが、次第に排便回数が増え、便が細くなっていくのを感じるようになりました。 さらに、下腹部に軽い違和感が続き、不安が募っていきました。

健康診断では特に問題がなかったので、つい「そのうち治るだろう」と放置してしまったのです。

受診のきっかけ

そんなある日、妻が私に言った一言がきっかけでした。

「最近、トイレが長くない？」

最初は冗談交じりでしたが、確かに自分でも気になっていたこと。 「念のため病院に行ってみるか」と思い、大腸内視鏡検査を受けることにしました。

検査当日、医師は慎重に説明をしてくれましたが、結果は予想もしないものでした。

医師からの告知時の気持ち

「直腸に腫瘍があります。悪性の可能性が高いです。」

その瞬間、頭の中が真っ白になりました。 まるで現実味がなく、ただ医師の声だけが遠くに聞こえるような感覚でした。

恐怖、不安、混乱…。 一度に押し寄せる感情に、言葉も出せませんでした。

医師は丁寧に治療の流れを説明してくれましたが、私はただうなずくことしかできませんでした。

家族への報告

どうやって家族に伝えればいいのか、何度も考えました。 「余計な心配をかけたくない」と思う気持ちと、「正直に話さなければ」という気持ちが交錯していました。

結局、妻には正直に話すことにしました。 夜、静かな時間に、診断結果を伝えました。

妻は驚きつつも、「一緒に頑張ろう」と言ってくれたのです。 その言葉に、私は初めて涙を流しました。

その後の決断

翌日には、治療について調べ始めました。 医師からの説明だけでなく、セカンドオピニオンも受け、自分にとって最善の選択を考えました。

すぐに手術と治療を受ける決意をし、前向きに向き合うことを選びました。

人生が大きく変わる決断でしたが、家族の支えがあったからこそ、乗り越えられたと思っています。

おわりに

今、不安や恐れを感じている方も多いと思います。 私もかつてはそうでした。

でも、早期発見と適切な対応が、自分を守る大きな一歩になると心から思います。 迷ったら、まずは一歩踏み出してみてください。

皆さんが、健康と向き合い、自分自身を大切にするきっかけになれば幸いです。