不妊治療クリニック初診の流れ

不妊治療クリニックに初めて訪れる場合、診察は以下の流れで進みます。

1. 予約と問診票の記入 事前に電話やWEBで予約を行い、問診票に現在の健康状態や月経周期、既往歴、妊娠歴などを記入します。カップル双方の情報を正確に記入することで、適切な治療プランが提示されやすくなります。
2. 医師による問診とカウンセリング 初診では、医師がカップルの不妊の原因や過去の病歴、生活習慣、心理面の状況まで丁寧にヒアリングします。治療方法の選択肢、成功率、期間、費用についても説明を受けられます。
3. 検査の説明と同意 必要に応じて、血液検査、超音波検査、子宮・卵管検査、精液検査などを行うことがあります。検査の内容や目的、費用についても事前に説明され、同意のうえで進められます。

不妊治療の検査内容

不妊治療では、男女ともに体の状態を把握するために各種検査が行われます。

女性の主な検査

• ホルモン検査 卵巣機能や排卵の状態を確認するため、採血でホルモン値を測定します。
• 超音波検査 子宮や卵巣の形状、卵胞の発育状況を観察します。
• 子宮卵管造影検査（HSG） 卵管の通過性を確認する検査で、妊娠のしやすさを判断する材料になります。
• クラミジア・感染症検査 妊娠に影響を与える感染症の有無を確認します。

男性の主な検査

• 精液検査（精液量、精子数、運動率、形態など） 男性側の不妊原因の有無を確認します。
• ホルモン検査 精子の生成に関わるホルモンバランスを確認します。
• 必要に応じた遺伝子検査 重度の不妊症や繰り返す妊娠失敗がある場合に実施されます。

治療方法と成功率

不妊治療は、原因や年齢によって段階的に進められます。

• タイミング療法 排卵日を予測して性交を行う方法で、20代～30代女性に適しています。費用は1回数千円～1万円程度。
• 人工授精（AIH） 精子を子宮内に注入する方法で、男性側の軽度不妊やタイミング療法で妊娠しない場合に有効。費用は1回2～3万円。
• 体外受精（IVF）・顕微授精（ICSI） 体外で受精させて子宮に戻す方法で、35歳以上の女性や男性不妊に適用。費用は1回30万～70万円程度で、薬代や凍結保存費用は別途必要です。
• 凍結胚移植（FET） 作成した胚を凍結し、最適なタイミングで移植する方法。複数回の移植で成功率向上が期待できます。

治療にかかる費用の目安

不妊治療は、治療方法によって費用が大きく異なります。自治体による助成金を利用すると、費用負担を大幅に軽減できます。

• 初診料・検査費：5,000～3万円程度
• タイミング療法：1回数千円～1万円
• 人工授精：1回2～3万円
• 体外受精：1回30万～50万円
• 顕微授精：1回50万～70万円
• 凍結胚保存：1回数万円

初診・通院時に必要な持ち物

不妊治療の初診・通院時には以下の持ち物を準備しておくとスムーズです。

• 健康保険証
• 基礎体温表（女性）
• 既往歴や服薬情報のメモ
• 既存の検査結果（ある場合）
• 筆記用具・メモ帳
• 心理的に安心できる小物やリラックスアイテム

男女・年代別の注意点

女性

• 年齢が高くなるほど卵子の質が低下するため、早期に治療を開始することが望ましい
• 排卵周期やホルモンバランスを意識した生活習慣改善が妊娠率向上に繋がる

男性

• 精子の質は年齢と生活習慣に影響されやすい
• 栄養バランス、禁煙、禁酒、ストレス管理が重要

生活習慣・心理面でのサポート

• 食事：葉酸、ビタミン、亜鉛を含むバランスの良い食事
• 運動：軽い運動やウォーキングで血流を促進
• 睡眠：十分な睡眠でホルモンバランスを整える
• 心理サポート：カウンセリング、リラクゼーション、夫婦間の情報共有

専門クリニックの選び方とおすすめ

• 治療実績・成功率の確認 公式データや口コミで、年齢や症状に応じた成功率を確認
• 費用の明確化 初診～高度医療まで総額費用を把握し、助成金活用を検討
• 通院のしやすさ 長期治療を想定し、通院の負担が少ないクリニックを選択
• 心理カウンセリングの充実度 治療中のストレス軽減に役立つ

おすすめクリニック例

• 湘南美容クリニック 不妊治療センター
• ミネルバクリニック
• 桜十字レディースクリニック
• IVF Tokyo

まとめ

不妊治療クリニック選びは、男女・年代別の体の状態、治療方法、費用、通いやすさ、心理サポートを総合的に考慮することが重要です。初診から検査、治療までの流れや必要な持ち物を把握しておくことで、不安を軽減し、安心して治療を進められます。生活習慣の改善や心理面のケアも取り入れながら、専門クリニックでの治療を有効に活用することが妊娠への近道となります。