ニキビ跡とは

ニキビ跡とは、炎症性ニキビが治った後に皮膚に残る変化の総称です。炎症の程度や場所によって、赤み、色素沈着、凹凸、盛り上がりなどの症状として現れます。単なる見た目の問題だけでなく、肌の触感や質感にも影響を与えることがあります。

1 ニキビ跡の原因

ニキビ跡の主な原因は以下の通りです。

• 炎症が真皮まで達する：皮膚の深層まで炎症が及ぶと、コラーゲンやエラスチンが破壊され、凹凸が生じやすくなります。
• 皮脂や角質の詰まり：毛穴が詰まることで炎症が悪化し、跡が残るリスクが高まります。
• 生活習慣やホルモンバランス：睡眠不足やストレス、ホルモンの変動は炎症を悪化させる要因です。
• 遺伝的要因：肌の再生能力や色素沈着のしやすさは遺伝の影響も受けます。

ニキビ跡の種類

ニキビ跡は症状によっていくつかのタイプに分けられます。適切な治療法を選ぶためには、自身の痘疤の種類を理解することが重要です。

1 赤み型（炎症後紅斑）

炎症が治った後に毛細血管の拡張や血流の影響で赤みが残るタイプです。

• 特徴：肌を押すと薄くなる場合があり、時間経過で自然に改善することもあります。
• 改善方法：光治療（IPL）、レーザー治療、抗炎症作用のある外用薬などが利用されます。
• 費用目安：光治療1回15,000～50,000円、レーザー治療1回20,000～60,000円。

2 色素沈着型

炎症によってメラニン色素が過剰に生成され、茶色や黒色の斑点状に残るタイプです。

• 特徴：紫外線や摩擦で悪化しやすく、長期間残ることがあります。
• 改善方法：ハイドロキノンやトレチノインを用いた外用療法、ケミカルピーリング、レーザー治療、ビタミンC導入などが選択肢です。
• 費用目安：外用薬1本3,000～8,000円、レーザー1回20,000～50,000円、ピーリング1回8,000～15,000円。

3 凹凸型（萎縮性瘢痕）

皮膚組織が破壊されて肌表面が凹むタイプで、自然回復が難しいことがあります。

• 特徴：肌の触感が不均一で、化粧で隠すのが難しい場合もあります。
• 改善方法：フラクショナルレーザー、マイクロニードリング、皮下剥離術（サブシジョン）、PRP療法など。
• 費用目安：レーザー1回30,000～80,000円、マイクロニードリング1回20,000～50,000円、サブシジョン1回40,000～70,000円、PRP療法1回60,000～100,000円。

4 盛り上がり型（肥厚性瘢痕・ケロイド）

皮膚が過剰に盛り上がるタイプで、痛みや痒みを伴うことがあります。

• 特徴：放置すると徐々に大きくなることもあります。
• 改善方法：ステロイド注射、レーザー治療、圧迫療法などが中心です。
• 費用目安：ステロイド注射1回5,000～10,000円、レーザー治療1回20,000～60,000円。

主な治療方法と詳細

1 レーザー治療

レーザーは赤みや色素沈着、凹凸改善に幅広く利用されます。

• フラクショナルレーザー：肌に微細な穴を開け、肌の再生を促す。凹凸型痘疤に有効。
• ピコレーザー：色素沈着や赤みに対応。短時間で複数回施術が可能。
• 注意点：施術後の赤みやかさぶた、ダウンタイムが1週間程度あることがあります。

2 マイクロニードリング

微細針を使用して皮膚に微小な傷を作り、コラーゲン生成を促す方法。

• 適応：凹凸型や浅い瘢痕。
• 施術回数：3～6回が目安で、肌状態によって調整されます。
• 注意点：施術後は赤みや軽い出血が起こる場合があります。

3 ケミカルピーリング

酸を使って古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進する方法。

• 適応：軽度の色素沈着や凹凸改善。
• 施術回数：2～4週間に1回、計5～10回が一般的。
• 費用目安：1回8,000～15,000円。

4 PRP療法（自己血小板療法）

血液から抽出した血小板を肌に注入し、成長因子で再生を促進。

• 適応：凹凸型痘疤や肌質改善。
• 施術回数：2～3回が目安。
• 注意点：注入部位の腫れや軽い痛みが数日続く場合があります。

5 サブシジョン（皮下剥離術）

凹んだ瘢痕の下の繊維組織を切断して平坦化する方法。

• 適応：深い凹凸痘疤。
• 施術回数：1～2回で効果を確認し、必要に応じ追加施術。
• 費用目安：1回40,000～70,000円。

3.6 外用薬・スキンケア

• ビタミンC誘導体：色素沈着改善やコラーゲン生成促進。
• レチノール：肌再生、ターンオーバー促進。
• 保湿・防晒：治療効果の維持と新たな色素沈着防止に重要。
• 費用目安：化粧品や外用薬3,000～10,000円／月。

治療を選ぶ際のポイント

1. ニキビ跡の種類に合った治療を選択
2. 複数回の施術が必要な場合があることを理解
3. 費用、ダウンタイム、副作用を事前に確認
4. 信頼できるクリニックで施術を受ける
5. 自宅での保湿やUV対策を継続

自宅でできるサポートケア

• 保湿：皮膚バリアを整え、炎症や色素沈着を防止
• 紫外線対策：日焼け止めで色素沈着悪化を抑制
• 栄養補給：タンパク質やビタミンC、ビタミンEを摂取し肌再生をサポート
• 生活習慣改善：睡眠・ストレス管理が肌状態に影響

治療の流れと注意点

1. カウンセリング：肌状態の評価と施術の適否を確認
2. 治療プランの策定：複数の治療法を組み合わせることも可能
3. 施術後のケア：赤みや腫れ、乾燥の対策を実施
4. 経過観察と追加施術：必要に応じて複数回の施術で効果を確認

価格・費用の目安まとめ

まとめ

ニキビ跡は種類ごとに特徴が異なり、治療法もそれぞれ適応があります。凹凸型、色素沈着型、赤み型、盛り上がり型など、症状に合わせてレーザー、マイクロニードリング、ピーリング、PRP療法、外用薬などを選択することで、肌の見た目や質感を整えることができます。

自宅での保湿、紫外線対策、栄養管理を併用することで、治療効果をサポートできます。費用や回数、ダウンタイムを確認し、複数の治療法を組み合わせることで、より多角的なアプローチが可能です。