変形性膝関節症とは？

変形性膝関節症は、膝の関節軟骨がすり減ることで起こる慢性的な関節疾患です。主に中高年層に多く見られ、加齢や運動不足、肥満、膝への負担の蓄積が原因となります。放置すると膝の変形が進み、歩行が困難になることもあるため、初期段階での気づきがとても重要です。

初期に現れやすい症状

変形性膝関節症の初期サインにはいくつか特徴があります。特に次のような症状が見られる場合は注意が必要です。

1. 朝起きたときのこわばり（晨僵）

朝起きた直後に膝を動かすと、関節が硬く感じたり、スムーズに曲げ伸ばしできなかったりすることがあります。数分から30分ほどで和らぐことが多いですが、これが繰り返される場合は初期サインと考えられます。

2. 立ち上がるときの痛み

椅子から立ち上がるときや、階段を上る瞬間に膝の内側に鋭い痛みを感じることがあります。安静時には痛みが軽減することが多く、「休めば治る」と思って放置してしまう人も少なくありません。

3. 関節の音（ゴリゴリ、ポキポキ）

膝を動かしたときに「ゴリゴリ」「ポキポキ」といった音がするのは、関節の表面が滑らかでなくなっているサインです。痛みがなくても、将来のリスクにつながる可能性があるため、注意して観察する必要があります。

自分でできるチェック方法

病院に行く前に、自分で膝の状態を確認する方法もあります。

• 膝の周囲を触ると軽い腫れや熱感があるか
• 長時間歩いたあとに違和感が強くなるか
• 正座やしゃがみ動作がつらくなっていないか
• 膝が以前より太く見えるか

これらのチェック項目のいくつかに当てはまる場合、変形性膝関節症の初期サインである可能性が高まります。

いつ病院に行くべき？

膝の痛みや違和感は「一時的なもの」と考えがちですが、以下のような場合は早めに整形外科を受診することが推奨されます。

• 痛みが数週間以上続いている
• 夜間や安静時にも膝が痛む
• 膝が大きく腫れて熱を持っている
• 歩行に支障をきたすほどの痛みや不安定感がある

早期に専門医に相談することで、適切なリハビリや生活習慣の改善方法を提案してもらえ、進行を抑えることが可能です。

日常生活での工夫

病院に行く前や治療と並行して、日常生活でできる工夫も有効です。

• 適度な運動（ウォーキングやストレッチ）で筋肉を保つ
• 正しい姿勢を意識し、膝への負担を減らす
• 体重管理を行い、関節にかかる負担を軽減する
• 冷えや過度な負担を避ける

これらの取り組みは即効性はありませんが、長期的に膝の健康を守るために役立ちます。

まとめ

変形性膝関節症の初期サインは「朝のこわばり」「立ち上がるときの痛み」「関節の音」といった身近な症状から始まります。軽視せず、日常的なチェックを行い、必要に応じて病院を受診することが大切です。

膝は私たちの生活を支える重要な関節です。早期に気づいて行動することが、将来の生活の質を大きく左右します。もし違和感を感じたら、放置せずに体の声に耳を傾けましょう。