膝の痛みは整形外科?整骨院?正しい選び方ガイド

🕒 2025-08-21

膝の痛みを感じたとき、多くの人が「整形外科に行くべきか、それとも整骨院に行くべきか」と迷います。特に40代以降になると膝の不調を訴える人が増え、適切な医療機関を選ぶことが重要になります。本記事では、整形外科と整骨院の違いや、それぞれが得意とする領域、さらに効率よく自分に合った治療を見つけるためのポイントを詳しく解説します。

整形外科と整骨院の基本的な違い

整形外科は医師が診察を行い、レントゲンやMRIなどの画像検査を通じて医学的な診断を下すことができます。膝関節症、半月板損傷、靭帯損傷などの病気やケガに対応でき、薬の処方や注射、必要に応じて手術も行えます。つまり「病気や外傷の診断・治療」を担う場所です。

一方、整骨院は柔道整復師という国家資格を持つ施術者が対応します。外傷処置や骨格・筋肉バランスの調整を得意とし、手技療法や電気治療を中心に行います。慢性的な違和感や軽度の膝の不調に利用されることが多く、「日常的な不調のケアやリハビリサポート」としての役割が大きいです。

膝の痛みで整形外科に行くべきケース

次のような症状がある場合は、迷わず整形外科を受診しましょう。

  • 膝が急に腫れて動かせない
  • 強い痛みで歩けない
  • 運動中に「ポキッ」と音がしてから不安定になった
  • 階段の上り下りで強い痛みがあり日常生活に支障が出ている
  • 慢性的な痛みがあり、市販の薬やサポーターでは改善しない

これらは関節の変形や靭帯損傷の可能性があり、整骨院では対処できません。

整骨院に相談してよいケース

逆に、整骨院の施術が役立つのは以下のようなケースです。

  • デスクワークで膝にだるさを感じる
  • 運動後に軽い疲労感がある
  • 姿勢の歪みや筋肉バランスの悪さを感じる
  • 運動を続けたいが膝のケアも必要

ただし改善が見られない場合や痛みが悪化する場合は、整形外科への切り替えが不可欠です。

人群別ケーススタディ

膝の痛みは年齢や生活習慣によって原因が異なります。代表的な人群ごとの特徴を見てみましょう。

シニア世代

加齢により膝軟骨がすり減り、変形性膝関節症を発症しやすいです。整形外科での診断・治療が第一選択ですが、症状の進行予防やリハビリの補助に整骨院が役立つこともあります。

スポーツ選手

サッカーやバスケットボールでは靭帯損傷や半月板損傷が多発します。これらは整形外科での正確な診断が必須です。その後の競技復帰に向けたリハビリの一部で整骨院のサポートが役立つこともあります。

主婦

日常的に階段や買い物で膝を酷使することがあり、負担が蓄積しやすいです。重い買い物袋を持つ、膝を曲げて掃除をするなどの動作で膝痛が悪化することもあります。軽度の症状なら整骨院でのケア、長引く場合は整形外科を優先しましょう。

デスクワーカー

長時間座り続けることで下肢の血流が滞り、膝に違和感を覚えることがあります。筋力低下が背景にある場合が多く、整骨院での施術と自宅でのトレーニング指導が有効です。

効率的に適切な治療を探す方法

  1. まず整形外科で診断:画像検査を受け、医学的治療が必要かを確認
  2. 診断に基づいた治療方針:保存療法か、手術を含む積極的治療かを決定
  3. 整骨院の活用:軽度のケアや筋肉調整に役立つ
  4. 生活習慣の見直し:体重管理や正しい歩行フォームが予防につながる

膝の痛みを予防するセルフケア

膝の不調を未然に防ぐための具体的な方法も知っておきましょう。

  • 適度な運動:ウォーキングや水中運動は膝に負担をかけにくく効果的
  • ストレッチ:太ももの前後、ふくらはぎを意識的に伸ばす
  • 筋力トレーニング:特に大腿四頭筋を鍛えることで膝の安定性が増す
  • 体重コントロール:体重が1kg増えると膝には約3kgの負担がかかるといわれる
  • 正しい姿勢:猫背やO脚は膝に負担を与えるため改善が必要

よくある質問(Q&A)

Q1:整骨院だけに通い続けても大丈夫ですか? A:軽度の不調であれば問題ありませんが、強い痛みや長引く症状は必ず整形外科で診断を受けましょう。

Q2:膝の痛みにサプリは効きますか? A:グルコサミンやコンドロイチンのサプリが市販されていますが、効果には個人差があります。まずは医学的な診断を受けることが優先です。

Q3:膝の手術は必ず必要になりますか? A:必ずしもそうではありません。保存療法で改善が見込める場合も多く、手術は重症例に限られます。

膝の痛みと向き合うために

膝は日々大きな負担を受ける関節であり、加齢や生活習慣でダメージが蓄積します。放置すれば痛みが慢性化し、将来的に歩行困難や介護が必要になることもあります。

重要なのは「自己判断で済ませないこと」です。整形外科で医学的な診断を受け、その上で必要に応じて整骨院を併用する。このバランスを意識することが、膝の健康を長く保つためのポイントです。